ハワイ好きならマストゴー!ハワイのミックス文化を讃える感動の祭典『ハワイ・クアウリ』が開催

2022.07.14

 “ハワイ・クアウリ”(Hawaiʻi Kuauli)という言葉を聞いたことがあり、なおかつその意味を知る方は、ハワイ通でもなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか?

 これはハワイ島の古式ゆかしき別名で、ハワイ語で“闇にそびえ立つハワイ”という意味。はるか昔、航海中のカヌーの甲板からハワイ島を見たとき、マウナケアとマウナロアが地平線にそびえ立つ姿を見て、名づけられたといわれています。

 古のハワイ島に関するメレ(歌やチャント)にも、ハワイ島を指す別名としてよく使われています。かつて日本が「豊葦原之千秋長五百秋之瑞穂国(とよあしはらのちあきのながいほあきのみずほのくに)」と呼ばれていたようなものですね。

第5回『ハワイ・クアウリ・パシフィック・アンド・アジア・カルチュアル・フェスティバル』

 その歴史ある名を冠したこのイベントの構想は、2018年の3月にニュージーランドのオークランドで開催された、パシフィカフェスティバル(Pasifika Festival)への視察により始まりました。

 ハワイ・ツーリズム・オーソリティー、ハワイ郡、アイランド・ブリーズ・プロダクションズ(Island Breeze Productions)の使節団が、廃れゆく郷土文化の再興と換骨奪胎を目的としたこのフェスティバルを「どうにかしてハワイ島にも持ち帰ることができないか」ということで、様々な試行錯誤とリサーチを重ねた結果、その年の9月に映えある第1回がハワイ島で開催されました。

 今年で5回目を数えるこの『ハワイ・クアウリ・パシフィック・アンド・アジア・カルチュアル・フェスティバル』は、サモア、フィジー、トンガ、フィリピン、日本、ニュージーランド、韓国、タヒチ、ハワイを代表する文化グループが参加しており、このお祭りを盛り上げています。様々に異なる国々のその多様さを共有し感嘆しながらも、お互いの国々の意外な共通点を見出しその意外性を分かち合いながら、文化交流を図るという、まさにコムニカチオ! コミュニケーション(Communication)の語源となったラテン語の「共有する」「分かち合う」が存分に体験できるフェスティバルなのです。

 実際こちらのフェスティバルに3日間を通して参加してみて感じたのは、このイベントのためにハワイ島に来る価値のある大変有意義なお祭りだということでした。ファッション、クラフトアート、フラ・ホイケ(Ho'ike:発表会)、ファイヤーナイフ・コンテスト、フード・フェスなど盛り沢山で、3日間すべてにありとあらゆるサプライズと趣向が凝らされています。

DAY 1:オープニングセレモニー

 2022年の6月10日から12日まで行われたこちらのフェスティバル、初日はオープニングセレモニー! 19時の開演に合わせて人々が列をなし、会場は大入り満員で熱気に包まれます。

 そんななか始まったのが、フラ・ホイケ。夜の帷が落ちつつあるなかでのフラ、そしてこの幻想的な雰囲気のなか、神々に捧げるチャントがこだまします。サモア、フィジー、トンガ、フィリピン、韓国、タヒチ、ハワイの7つのグルーが多種多様な踊りを披露し、2年ぶりのリアルに開催されたフェスティバルを盛り立てました

 会場の中では2日目に展示・販売されるウェアラブルアートや、クラフトマンフェアの出店が一足お先にお披露目ということで、人々の耳目を引きつけていました。

DAY 2:キング・カメハメハ・デーのパレード

 毎年6月11日はハワイ全土のお祭りである、キング・カメハメハ・デー! ハワイ王国時代に始まった祝日で、カメハメハ大王の孫にあたるカメハメハ5世が1871年に制定し、1872年に施行されました。

 カメハメハ大王の生誕については不明な点も多く、誕生日どころか生誕年もわかっておりません。そのためカメハメハの“誕生”を祝う日、ではなく、カメハメハの“生涯”を祝う日というのが、通例となっています。

 その生涯を祝い、ハワイ諸島各地では6月3日から18日の間に、様々な記念イベントが開催されます。ハワイ州の祝日であるため、公共機関や学校はお休みになります。ハワイ島も朝10時からアリー・ドライブでパレードが行われ、たくさんの人出で賑わいました。

 ちなみに厳密にいうと、キング・カメハメハ・デーのイベントなどはハワイ・クアウリの一環ではないのですが、ベッキー・フェルナンデス実行委員長(アイランド・ブリーズ・プロダクションCEO)によるとイベント・パートナーとして、催事日時が被らないように調整などしているそうです。

DAY 2:ウェアラブル・アート展

 そのハワイ・クアウリ2日目の日中には、ウェアラブル・アート展やアートフェア、クラフトフェアなどが出展されます。南太平洋各地から集まった新進気鋭の才能が一堂に会し、来場者はSDGsコンシャスで持続可能な製品に触れられる貴重な機会となっています。もちろん購入もでき、自分だけのワン&オンリーな逸品を手に入れられます。

 所狭しとならんだ店々に、多くの人が足を止め、店主と話し込む姿が見られるのもクラフトマンシップ溢れるこの会場ならでは。手作りだからこそのストーリーや文化、伝統が様々に伝播していきます。

 例えばこちらココナッツアベニューの水着も、パターンから生地、デザインがすべてハワイで行われており、正真正銘ハワイ産オリジナルプロダクト。しかもすべてリサイクル・ファブリックから作られ、生産過程で出る廃棄物は最小限、そして生産・流通におけるカーボンフットプリント(CFP)を導入し、ハワイの沿岸および海洋環境を保護および保護する組織を支援しています。

 こちらのピアスも廃材を利用し、すべてハンドメイドで、各$30という破格のお値段。ハワイの燦々と照りつける太陽に映えるデザインです。

DAY 2:第2回レ・カウア・アイラオ・ファイヤーナイフ・コンペ

 そしていよいよ始まる今夜のメインイベント、『第2回レ・カウア・アイラオ・ファイヤーナイフ・コンペ』! 

 古来よりサモアでは木製の棒の先端にサメの歯や豚の牙をつけ、戦いの際の武器にしたり、日常でナイフとして使っていました。ファイヤーナイフ・ダンスとは、その道具をエンタメとして進化させ、棒の両端に煌々と燃え盛る火を点火し自由自在に扱いながら、サモアに古くから伝わる“戦いの勝利を祝う動き”を元にした、世界で最も激しいダンスといわれています。

 ハワイ・クアウリでのこのファイヤーナイフ・コンペは、ハワイ島で唯一正式に認められた大会であり、去年は参加者の家族のみの観覧&ライブストリーミングで開催されたため、一般の観客も参加しながらライブストリーミングで配信される2本柱で開催されるのは、今年が初めてです。

 

 と、その前にそのファイヤーナイフ・コンペの前座として登場したのが、サモア文化のプレゼンテーション。カ・マカニ・オ・カ・モク・アイナ・フラ・スタジオ(Ka Makani O Ka Moku ʻĀina Hula Studio)による、圧巻の舞台です。

  こちらすべてをぜひ見ていただきたいのですが、文化的にもエンターテインメント的にも完成度が高く、これぞ南太平洋文化だとエスニシティを感じ、畏敬の念が生まれてきます。動画の13:30くらいから群衆のボルテージは最高潮になっていき、トリを飾る最後のダンスで会場は渾然一体となり、自然に踊り始める方々や、おひねり(!)を差し出そうとする人でステージ前は大混雑。感動を覚える圧倒的なステージでした。

 ファイヤーナイフ・コンペでは、どの参加者も圧倒的なパフォーマンスで見る人すべてを興奮の渦に巻き込んでいましたが、僅差で勝利した勝者の演技をご覧ください。ドラムのシンプルながらもズッシリしたリズムが醸す響きと、ファイヤーナイフの芸術的な動きのハーモニーは、さすがのひと言です。

バイタミ部門(Vaitaimi :11-17歳) 1位・優勝賞金$800/Toa Aliʻi Milford

マツア部門(Matua:18歳以上) 1位・優勝賞金$2000/Seiuli Matuni Vaiaoga

 このように連日連夜、盛りだくさんのハワイ・クアウリですが、最終日の大トリは、なんといってもテイスト・オブ・パシフィック&アジア(Taste of Pacific & Asia)! 

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